010:凍える息




 見上げたところにある月も、まるで凍っているようだ。
 マフラーを口元まで引き上げて夜道を歩く。彼の家迄。理由なんかただ会いたくなったから、それだけだ。きっと驚くだろうけれど、彼は受け入れてくれるから。