015:雨の降る夜



 雨音が忍び寄る寒い夜。
 怯えたように縋りついてくる彼女を抱き締めてやりながら、どうしたのかと問うた。返ってきた言葉はひとこと。寒い、と。声音は、不安に塗りつぶされていた。

 細い肩を抱き締めてささやく。此処に居るから。素直に頷いた彼女は服を握り締めた手を、放そうとしなかった。