060:闇 に 瞬 く




触れた指が冷たくてひどく驚いた。
ビクリと震えた身体にその人は少し躊躇うように名前を呼ぶ。
雨に濡れた髪が張り付いていて気持ち悪い。


いつになく不安そうな彼に嫌なのかと訊かれて、拒めるはずがないんだ。

平気だよと微笑んで、縋るように。