091:傷跡
帰宅途中でものすごく久し振りにチャリンコでぶっこけた。
幸いにも服は汚れなかったけど、スカートだったおかげでむき出しの膝を擦りむいてしまった。
痛い、最悪と半泣きになりながら帰る。
帰るなり事情を説明すると奴は愉快そうに笑いやがった。どうせどんくさいわよ。
笑いながらもとりあえず心配ではあるみたいで、風呂場に強制連行されて傷口を洗い流す。
冷たい水が染みて痛い。結構深いなぁ、と奴はつぶやいた。
傷残るかな。ちょっと不安になって尋ねてみる。
ただでさえ昔ころんだところの痕もまだ消えてないのに。
「俺は傷残っても気にせーへんけど、の足なら」
「何言ってんの?」
間髪を入れずに突っ込むとえ、そういう心配やないの?と間抜けな顔があたしを見上げた。
違うっつーの。自意識過剰だよと思ったけど、ちょっと気が楽になった。
まあいっか、それなら傷跡くらいのこったって。