096:首飾り




たえられないと、彼女は耳元で言った。こらえきれずに。
脳髄がじわりと甘く、焼ける。
華奢な背に指を回すと、首にしがみついたままの彼女は小さく息をついた。

雨の音が部屋の夜を閉じ込めるようだ。濃い気配は闇に紛れて息を潜める。
彼女が吐き出した吐息は毒の様に、ただこの身体を支配していった。