011:たこ焼きの中のたこ
「ッ、いい加減にせえッ!」
「やッ、はなして!」
「あかん、もう許せへん!」
「侑士…ッ」
「何で、何でなんや…!」
「…、あんたには関係ない!」
「あるわ!」
「!」
「ええか、!」
「何よ…ッ」
「蛸には…蛸さんにはな、栄養たっぷり入ってんねや!」
「どんな栄養よ」
「………まあ、それはええとして」
「知らないんじゃん!」
「だからええねんそれは!俺が言いたいのはそういうことやなくてやな!」
「何よ!」
「好き嫌いしたらおおきくなれへんっちゅーことや!」
「!!!!」
「俺は別に今のままでもええねん、せやけどこないだ背ェ縮んだ〜て嘆いとったやん!かわいそうやなて思ってたんや、いやまあ俺としてもやな、別につくべきところならいくらでも大きくなって構わないわけで…いやいやいや、そういうことでなくな、つまり………?」
「最ッ低ッ!!!」
「えッ!?」
「もう今更これ以上伸びないってんだよ、このカス野郎ッ!!」
「(カ、カス野郎…!?)ちょお、…」
「あんたなんか一生タコと仲良くしてれば!?そうよねどうせあたしたこ焼きも食べれないもんね!好きにすれば!今すぐ出てってッ!」
「えッ…えッ(ここ俺の部屋やねんけど…!)」
「もう知らない! 大 ッ 嫌 い !」
「(がががーん!!!)!見捨てんといて!!!」
「何よあたしよりタコのが好きなんでしょー!もういいよどっかいってよ!!うわああん」
「(なッ、泣いた…!?)ちょ、ちゃん!ちゃんが世界一やから!タコなんかどうでもええから!」
「だっていきなり怒ったじゃん!もうやだー!」
「いやいや、あれはノリっちゅーかなんていうか」
「そんなのあたし知らないもん!」
「あああ、そないなこと言わんで…!(ていうか何で泣いてんねやこの子…!)」
「ばかー!」
「(なんでこんなことに!)(誰か助けて!)」