おねがい、と、甘い唇がもっと甘い声で囁いた。ひどく切なそうな表情で、瞳は熱に潤んでいる。焦らすように輪郭をなぞると、掠れた声が俺を呼んだ。もっとちゃんと言うてくれんと、わからへんよ。そう囁き返すと、柔らかな頬が朱に染まる。いじわる、恥ずかしそうに、少しだけ拗ねた声で恋人は呟いた―――

「……っていうのが、理想やねんけどな?」
「はあ?」
「いや、ちゃんあんまり口に出しておねだりしてくれへんやろ。俺としては………俺と、しては、やな。えーと、……ちゃん?目ぇ据わっとるよ?」
「はあ?」
「…そ、そないなこわい顔したらかわいいお顔が」
「うるっさいこのド変態、一生妄想と仲良くしてれば!!」
「あッちゃん、待ッ…」



(そのうち自分とわたしを主人公に、官能小説でも書くんじゃなかろうかと思いました)
(…そうなったら別れてやる)