いまい

 「わかんない」
 と、はよく言う。それは口癖のように言う。とにかく直感的に生きているのである。いつだったか、あるときあのオカッパが「お前って侑士の何が好きなワケ?」とかに尋ねたことがある(人の可愛い彼女をお前よばわりってどういうことやとかその言い草だとまるで俺に惚れられるべき長所はいっこもあらへんみたいやんけとか色々思うことはあったが答えが気になるので黙っていた。そもそも本人の真横でする質問ではない)。 そのときも開口一番「さあ、わかんない」と答えていた。付き合って4年めの衝撃だ。えッじゃあなんでカレカノやってるん俺ら、とか涙の海に沈みそうになっていると言葉が続いた。
 「でもなんかわかんないけどすっごい好きなんだよね」
 いつか俺この子に殺されるかもなあと思った。
 とりあえずやっぱり本人の真横でする話では、確実に、ない。
 (でもめっちゃうれしかったからメモしとこう…)



のり

 「ちゃん何してるん」
 「シッ黙って!人の想いが天を動かすんだから!!」
 「ゲームオーバーの画面に向かって祈っても、ゲームシステムは動かされへんと思うで」
 「神様が10分前に時間戻してくれるかもしれないでしょ!」
 「(その手があったか…)」
 (ちょっと夢見がちやけど、悪い子じゃないんです)



そつき

 いつもいつもいつも、ちょっと顔をゆがめてわらう。それにわたしが気付いてないと思ってる。頭いいくせに肝心なとこで足りてない、ばかなひと。ひとりぽっちで泥の中に居るんだって思ってるんだ。わたしはここにいるってのに。
 だから言ってやった、真っ黒な手に頬擦りしながら。わたしはあんたより頭悪いけど思い切りだけはわたしのほうがいいって思ってるんだ。仕掛けたのはわたし。でもずっとずっと前に仕掛けたのはそもそもあんただったんでしょ?最近まで、知らなかったけど。
 「で、でもそれとこれとは」
 「違わないんちゃうん」
 「ちちちちがうと思う」
 だからちょっと、ちょっと待って!
 (乙女心を理解しろよ、ばか!)



めらるど

 「あ」
 「うん?」
 「このパンカビ生えてる」
 「な…」
 「きれいなみどりいろー」
 「わアーほんまやー」
 「ね」
 「……………………」
 「…なに?」
 「なんで!どうして!!そんなになるまで机においてあるのッ!!!」
 (だからあ、アンタんちに週4居るからじゃん)(うッ…)



しゃべり

 「んでさァまた聞かれちゃったよ、ちゃんの彼氏って眼鏡伊達って噂あるんだけどほんと?って。ほんと信用ないっていうか胡散臭いんだね忍足って、おもしろーい」
 「いやいやいやおもしろーいやなくてな、ていうかなんて答えたん?」
 「面白いから伊達って言っといたよ、モテると思って伊達にしたって」
 「捏造やん!」
 「大丈夫、すっごいうけてたよ!」
 「そういう問題やなくて!!!」
 (こうして都市伝説は出来上がっていく)


※ここの忍足くんはホントに視力が悪い設定です、あしからず…