032:砂嵐
細い指が自分の暗い色の髪を梳いた。握り締めたら折れるかもしれない。指もその白い頸も、骨ですら。
ふとよぎる破壊衝動にどうしようもなくなることがあった。愛しさ故なのかそれとも自分に元から備わる狂気なのかは判断もつかない。ただ、手放せそうにないことだけは確かだった。
微笑みが胸に刺さる。先に自分の方が壊されるかもしれないと思う。否、とっくに壊れているのか。
困惑の末、結局同じ様に微笑み返すことしか出来なかった。