040:泣き笑い




 ひどい、と言葉を零して泣いた。死ぬ理由なんてないのにと。
この世の死の殆どは理由などなく理不尽と向き合っているのだろう。しかし彼女は泣いた。理解っている筈の彼女は泣いた。

 本当に画面の二人に同情しているのか、それとも自分の何かを重ねているのかは分からない。自分と彼女は違うのだ。とりあえず自分にとっては画面の二人が死んだことよりもよっぽど、彼女が泣くことのほうが辛かった。
 悲しみが薄れるように髪を撫ぜる。宥めるように、名を呼んで。