069:幸せ




 奴が眼鏡をしたまま転寝していたのでそっと眼鏡をとってやると、全く起きる気配が無かった。珍しいことだ。彼は眠りが浅くて、あたしが先に起きたりそばでごそごそしてると大抵起きるのに。 疲れているのだろうか。
 しばらく寝顔を眺める。やたらでかくてやたら落ち着き払ってるから年上に見られたりするけど、こうして見てると年相応に見えるかもしれない。何となく髪を撫でた。くそう、さらさらだ。

 それにしても本当に気持ち良さそうに寝てるので、ベッドから毛布を持って来て掛けてあげた。あたしってば、なんて良い彼女かしら。

 さて、奴の眠りを邪魔しないように本でも読んでようかな。
 あたしも何だか眠くなってきたけれど。