007:星
なまえのない星もあるんだよね、と彼の袖を引くと、人間の見える世界なんて所詮宇宙の何十分の一かでしかないからな、と返された。
眼鏡の奥の眸が微笑む。
わたしは素直に頷いたけれどそれでも、悲しいような気がした。
誰にも知られずひっそりと輝く孤独はどのくらい寒いだろう。とりあえずこのひとに見つけ出してもらったわたしには推し量れないと思った。
きっと恒星は寂寥なんて識らないだろうけれど。